北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室&鞍馬研究室,2005年7月29日創設の防衛安全保障専門Weblog

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

陸上防衛作戦部隊論(第十五回):広域師団直轄部隊、師団通信と広報支援による民生安定

■通信隊と広報支援部隊 師団直轄部隊、“特殊作戦隊”、“警務隊”、“通信隊”、“広報支援部隊”、“無人偵察機隊”、“電子隊”、“飛行隊”、“後方支援隊”、についての続きです。 通信隊、師団通信は指揮統制の基幹を担うものですが、第一線戦闘部隊は航空機動旅団と装…

陸上防衛作戦部隊論(第十四回):広域師団直轄部隊、野戦憲兵たる師団警務隊の位置づけ

■野戦憲兵 方面隊規模での警務隊の任務と師団の警務隊の役割について前回示しましたが、この続き。 諸外国の野戦憲兵の任務には道路標識の撤去が含まれます、ただ、これは我が国の場合警察が所管する道路標識であり、有事の際にこの撤去などは実施できるのか…

将来航空自衛隊練習機体系への一考察(第九回):練習機を対テロ用COIN機に用いる事例はある

■練習機とCOIN機 練習機について、前回軽攻撃伊としての運用が南西諸島での脅威想定に対処し得ないところまでを検証しました。 現在の練習機の中には、軽攻撃機としての能力を持つものがあり、中にはそれを強調する機体も存在します、これまでに紹介しました…

陸上防衛作戦部隊論(第十三回):広域師団直轄部隊、二つの機動旅団を運用する機構

■広域師団直轄部隊案 広域師団が指揮する装甲機動旅団と航空機動旅団、その機構について、直轄部隊はどうあるべきなのでしょうか。 師団は、二つの旅団を隷下に有し、この指揮統制と情報優位に資する部隊を師団直轄部隊として隷下に配置します。これは師団直…

平成二十七年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2015.06.27-28)

■自衛隊関連行事 今週末の自衛隊関連行事について。 北千歳駐屯地創設記念行事、第1特科団と第71戦車連隊等が駐屯する駐屯地で、特に第1特科団は地対艦ミサイルや多連装ロケットシステムを有する野戦砲兵部隊として世界最大の規模を誇ります。訓練展示で…

陸上防衛作戦部隊論(第十二回):師団を構成する装甲機動旅団と航空機動旅団

■装甲機動旅団と航空機動旅団 装甲戦闘車についての検証と提案を連載してきましたが、ここから戦略単位と作戦単位について。 陸上自衛隊の全ての師団と旅団を二つの種類の機動旅団に改編し、二種類二個旅団を以て一個の大型師団を編成する、師団は一方面を担…

協同転地演習開始、中部方面隊師団等転地演習第13旅団主力として北部方面隊管区へ展開

■第13旅団、広島から北海道へ! 陸上自衛隊は22日より中部方面隊実施の協同転地演習を開始しました。広島など山陽山陰地方から北海道へ部隊が展開します。 師団等協同転地演習として、今年度は広島の海田市に司令部を置く第13旅団が訓練実施部隊となり…

現代日本と巡洋艦(第十回):日本の巡洋艦はどういった装備を搭載すべきか

■巡洋艦の兵装 戦力投射と対水上戦闘という部分、我が国が必要とする巡洋艦は対水上戦闘能力が相応に求められるというのが前回の結論でした。 こういいますのも、南シナ海と東シナ海、世界でもっとも水上戦闘艦や潜水艦などが参加する海上戦闘発生の蓋然性が…

将来航空自衛隊練習機体系への一考察(第八回):南西諸島への経空脅威はSu-27級が基本

■M-346vsSu-27 軽攻撃機としての練習機の限界について、今回も触れてみます。 南西諸島へ脅威対象が展開できる航空機は主として航続距離の大きなSu-27戦闘機及びそのライセンス生産機、少なくとも大陸から南西諸島を戦闘行動半径に含める戦闘機は例外なく中…

陸上防衛作戦部隊論(第十一回):戦車と装甲戦闘車を合わせた需要と防衛用装軌車、戦車生産基盤

■防衛用装軌車の基盤 戦車生産基盤維持、消耗、という視点から前回まで装甲戦闘車の重要性を指摘してきました。 戦車の生産工場、そして戦車の維持部品を供給する下請けの企業、戦車とある程度共通性のある分野の異なる部品生産を需要として提示する事で、汎…

日比共同訓練MTA15 P-3C参加、フィリピンパラワン島西方海域にて21日より開始

■Maritime Training Activity15 防衛省は明日21日よりフィリピン海軍との日比共同訓練MTA15を開始するとの事です。 MTA15はMaritime Training Activity15の略で、人道支援及び災害救援訓練等の訓練を通じフィリピン海軍と海上自衛隊の人道支援と…

平成二十七年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2015.06.20-21)

■自衛隊関連行事 今週末、天候がやや荒れそうな予報ではありますが自衛隊関連行事の紹介を。 今週末は北海道の自衛隊関連行事がいろいろ行われまして、最も活気ある行事は、第2戦車連隊と第4特科群の駐屯する上富良野駐屯地祭でしょう。第2戦車連隊は、現…

浅間山噴火へ自衛隊情報収集 東部方面航空隊・第7航空団・偵察航空隊が出動

■浅間山噴火へ自衛隊情報収集 6月16日0930時、北関東の浅間山が噴火しました。 浅間山噴火は小規模な噴火であり、微量の火山灰が4km程度の範囲内で観測される程度ではありましたが、その後の状況変化への警戒として防衛省は1026時、百里基地を…

将来航空自衛隊練習機体系への一考察(第七回):練習機の軽攻撃能力での限界

■軽攻撃能力の限界 練習機の軽攻撃能力での限界について、前回に引き続き考えてみましょう。 空対艦ミサイルを搭載して洋上阻止に充てる、という運用も考えられますが、航法装置や電子戦装置など、防空艦を多数有する艦隊への攻撃にはかなりの装備を必要とし…

現代日本と巡洋艦(第九回):水上戦闘艦の対水上戦闘と戦力投射任務の両立

■戦力投射と対水上戦闘 航空機格納庫の用途と巡洋艦の任務について、多用途性能と海外装備等の実例を踏まえて。 甲板から埠頭へは、クレーンを用いて車両を一両一両揚陸させる方法もあるのですが、甲板から車両用スロープを設置もしくは臨時に配置してそのま…

8200t型護衛艦、平成27年度護衛艦27DDG競争入札募集綱領を正式発表

■新イージス艦は8200t型 防衛省は平成27年度護衛艦27DDGの競争入札募集綱領を正式発表しました。 平成27年度護衛艦27DDGは、あたご型ミサイル護衛艦に続く海上自衛隊のイージス艦で、護衛艦隊隷下の護衛隊群における艦隊防空の中枢艦として、旧式化…

日米仏共同訓練、九州西方海域にて実施 輸送艦おおすみ等数隻が参加

■L-CAT参加!九州沖で日米仏共同訓練 海上自衛隊によれば今週末、日米仏共同訓練が九州西方海域にて実施されたとのこと。 欧州海軍との訓練はソマリア沖海賊対処任務に併せ日常的に実施されるようになりましたが、九州沖にフランス海軍を含めた多国籍間訓練…

陸上防衛作戦部隊論(第十回):戦車生産基盤維持と国産乃至ライセンス生産装甲戦闘車生産

■戦車生産基盤維持 前回に続き装甲戦闘車の生産を主に戦車生産基盤維持という視点から見てみましょう。 戦車を有事の際に緊急生産する、という選択肢は、現代戦が短期により戦略目標を破壊し収束するという特性上現実的ではありません、しかしそれ以上に重要…

平成二十七年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2015.06.13-14)

■自衛隊関連行事 今週末の自衛隊関連行事について、東北北海道と首都圏で行事があります。 第9師団創設記念青森駐屯地祭、津軽海峡という防衛上の重要地域を含む東北北部を防衛警備管区に受け持つ第9師団の創設記念行事、明日土曜日に市中パレードが行われ…

榛名防衛備忘録:沖縄防衛への視座、国家の確たる決意と自衛隊部隊装備体系の改編

■沖縄防衛への国家の決意 沖縄を守る決意が必要、としました前回に引き続き今回もこの視点から。 陸上自衛隊には9個師団と6個旅団の精鋭が維持されていまして、沖縄の第15旅団はヘリコプター空中機動能力では北関東信越地方の第12旅団とならび自衛隊の…

榛名防衛備忘録:沖縄防衛への視座、二度と見捨てぬ沖縄戦第32軍への反省が必要

■沖縄を守る決意が必要 今回は昨日の鹿児島県奄美大島の防衛強化提案に併せ、沖縄についての話題と視点を。 沖縄から防衛力を削減し、基地負担軽減を、という声があるようですが、これを実際に行い、そして有事となった際に、沖縄の視点から、また国は沖縄県…

榛名防衛備忘録:奄美大島戦闘機部隊配置の必要性、那覇基地過密化と対領空侵犯措置任務

■防衛要衝:奄美大島 南西諸島防衛に関して、幾度も掲載してまいりましたが今回は沖縄県ではない地域を。 中国大陸からの国籍不明機による我が国領空への接近、いわゆる対領空侵犯措置任務航空自衛隊緊急発進が、昨年度に冷戦期の最盛期に並ぶ史上二番目の多…

スタンダードSM-3ブロックIIA弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイル発射試験成功

■SM-3ブロックIIA 防衛省技術研究本部と米国ミサイル防衛庁が日米共同開発として開発を進めてきましたスタンダードSM-3ブロックIIA弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルが発射実験に西欧したとのこと。 スタンダードSM-3ブロックIIA弾道ミサイル防衛用…

日比防衛協力の強化を提唱 日本訪問のフィリピンアキノ大統領が声明

■比国内基地提供も示唆 我が国を訪問したフィリピンのアキノ大統領は5日、日比間の防衛協力強化を希望する声明を発表しました。 この中でロイター通信が報じたところでは、自衛隊の艦艇や航空機が運用可能な基地をフィリピン側が提供し、南シナ海の警戒監視…

現代日本と巡洋艦(第八回):戦力投射能力を左右する格納庫の位置づけ

■航空機格納庫の用途 日本に必要な新しい巡洋艦、前回に引き続き。 イタリア海軍のヘリコプター巡洋艦ヴィットリオヴェネトは、新空母カブールと交代する形で除籍されましたが、基準排水量7500t、満載排水量9500t、艦の排水量は護衛艦こんごう型と…

平成二十七年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2015.06.06-07)

■自衛隊関連行事 今週末の自衛隊関連行事について。 北海道では明日土曜日に札幌の真駒内駐屯地にて第11旅団創設記念行事が行われ、続いて日曜日に旭川駐屯地にて第2師団創設記念行事が行われます、特急スーパーカムイを利用しますと、旭川と札幌そして新…

陸上防衛作戦部隊論(第九回):装甲戦闘車に関する海外製装備の可能性について

■ASCOD/CV-90 今回も装甲戦闘車について。装甲機動旅団用の機械化大隊基幹装備ということで掲載を続けていますが、今回も。 国産車両が望ましいのですが、ASCOD装甲戦闘車やCV-90装甲戦闘車でも換えられるとは考えます、ASCODはオーストリアとスペインが従来…

将来航空自衛隊練習機体系への一考察(第六回):冷戦期と現代の軽攻撃機転用の限界

■北海道と南西諸島 練習機の在り方について、F-35時代の重要性を示したのちに、それならばどこまでの性能を盛り込むかについて。 練習機について、F-35戦闘機は全て単座型のみであることから相応の機体が現状のT-4練習機後継には必要となる、との前回までの…

陸上防衛作戦部隊論(第八回):自衛隊に大量配備可能な装甲戦闘車の想定

■新装甲戦闘車の想定 前回までに戦車が削減される一方、戦車を支援する装甲戦闘車の位置づけを示しました、自衛隊には装甲戦闘車が必要だ、と。 しかし、大きな難点は訓練場の問題です、さすがに市街地駐屯地に隣接する狭い訓練場で装甲戦闘車の訓練を行うの…

5.30東京小笠原諸島西方沖地震マグニチュード8.5 防衛省自衛隊の対応

■M8巨大地震再来!深深度地震 5月30日2023時、小笠原諸島西方沖にて気象庁速報値でマグニチュード8.5の巨大地震が発生しました。 震源は北緯27度51.6分・東経140度40.9分、マグニチュード8.5、震源の深さは590kmと第一報が出され、気象庁の31日…