■必至の長期化
島国である日本が陸上防衛力を相応に重視しているのは戦争の本質を知っている為なのですが、アメリカイラン戦争ではこの構図が理解されていないように思えます。

空爆だけでは戦争は終わらない、結局、戦争というのは人心の掌握服従が最終目的であるため、陸軍の占領が無ければ空爆だけでは不可能で、その日本でも二度の核攻撃と、小笠原に沖縄などの占領、更にオリンピック作戦など日本本土以上陸を間近に構えた結果、降伏に追い込んでいます。

そして、イランが降伏するまで攻撃を行うというトランプ大統領の発言ですが、降伏したとしても広大なイラン本土へアメリカ軍が占領軍を派遣することは、国土が半分強のイラクでさえ10万の地上軍を長期間貼り付ける必要があったのですから、そんなことはできませんし、繰り返すとおりイラン陸軍はほとんど無傷です。

攻撃を終了させる意図が見えず、長期化する部分だけが残る。いや、アメリカ軍が作戦を終了し、イスラエルが空爆を終了宣言した上で、そうなればイラン国内では、特に最高指導者を中心に戦勝宣言を行うのでしょう、戦争は最後まで立っていた側が勝者なのですから、しかし、その宣言を無視できるならば事情が変ります。

アメリカが、イランの勝利宣言を呑み込んでアメリカも一方的に勝利宣言を行うような、そういった構図ならば停戦、アメリカの作戦終了と、ホルムズ海峡航行の回復は可能なのかも知れません。イラン側の石油輸出再開、イランのタンカーを革命防衛隊は通していますので、この部分から機雷敷設は限定的だといえるのですが。

イランとしては石油輸出による外貨獲得と、アメリカがどう経済制裁しようとも、イランの体制を支持しているロシアはカスピ海を経て国境を接していますので、必要であればイラン軍の再建を行うことは可能です。今回、イスラエルとアメリカはイランの航空戦力と防空戦力、それになけなしの海軍戦力を叩いた事は事実です。

F-14,パーレビ王政時代に導入したアメリカグラマン社製F-14トムキャットは最後の一機までイスラエル空軍の精密攻撃により撃破されましたが、ロシアから新しくSu-35フランカーシリーズを導入することは出来ますし、中国からも広域防空システムなどを、なにしろ原油という資金源はあるのですから、調達できるということです。

今停戦した場合、そもそも、斬首作戦を行えば簡単に制度の転換が起こるという甘い見通しがあったのでしょうが、イランとしては再建できる、そしてアメリカと交渉を行い難い、考証の途中に始まったという奇襲攻撃、真珠湾を吸掛けられたアメリカが同じことをやった構図という事実が残る、この対立の根幹を看過できれば、すぐにでも停戦は可能です。

ホルムズ海峡封鎖、そう、停戦にならなければ、機雷掃討だけならば話は簡単です、掃海輸送ヘリコプターを派遣するという選択肢がありますし、海上自衛隊はアメリカ海軍の数倍もの掃海艇を持っています、アメリカ海軍に掃海艇は4隻しかのこっていませんゆえ。しかし、現状では、掃海艇を派遣する事は不可能です、そしてあまり意味が無い。

地対艦ミサイルと無人艇の自爆攻撃に小型艇による強襲という状況があります、言い換えればホルムズ海峡を機雷掃海した場合でもイラン沿岸部からの攻撃を受ける懸念というのはまったく解決していないのですね。沿岸部を制圧するには戦艦の艦砲射撃が最適なのですが、アメリカ海軍最後の戦艦は30年前に退役しています。

打つ手が無い状態でロクに準備もせず始めた全面攻撃、斬首作戦による指導部攻撃と継続的な空爆で、当然の結果としてのホルムズ海峡封鎖となったのですから、ある意味、読めた結果でした。第五艦隊に掃海艇は居ません、これが、問題なんですね。日本側が支援できるのは退役掃海艇の無償供与ではないか、すがしま型掃海艇など。

すがしま型掃海艇の供与、2026年2月25日に佐世保で掃海艇とよしま除籍、2025年3月12日に呉で掃海艇なおしま除籍、まだ解体されていません、2025年10月8日掃海艇うくしま除籍、もちろん除籍にさいして多くの電装品を外してしまいましたが、2000年代に建造された掃海艇ですし、退役間もなくまだ状態のいいものが揃う。

機雷処分機具には、フランスのPAP-104機雷掃討装置を搭載していますので、世界的に見ても十分な機雷掃討能力を持っています、木造掃海艇ですので船体が老朽化しているのですが、このあたりを防衛秘密保護協定を結んだ上で湾岸諸国へ無償譲渡、機雷戦闘システムの情報漏洩が懸念されるならば無償貸与という選択肢もありえます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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