◆無責任な発言、韓国在留邦人はどうなる
志は高く、という言葉はあるのですが、明らかに能力上出来ないものを、しかもやり遂げる意思も無いまま発言する、というのは無責任の代名詞ですが、それを一国の首相が行ったという出来事があります。
有事の際、拉致被害者救出で自衛隊派遣も:< 2010年12月11日 1:34 >ブックマーク ・・・ 菅首相は10日、拉致被害者家族との懇談会で朝鮮半島有事の際、北朝鮮にいる拉致被害者を救出するため、自衛隊を派遣する可能性を議論していることを明らかにした。 菅首相は「北朝鮮が韓国領に攻撃をするという事件が勃発して、ある意味での南北朝鮮の間、場合によってはアメリカ軍も含めた一触即発の状況も生まれてきて、今日に至っている。こういった状況も踏まえながら、万一の時には、北朝鮮にいる拉致被害者を、いかにして救出することができるのか考えておかねばならない」と述べ、自衛隊を派遣することができるかどうか、その可能性について議論していることを明らかにした。 その上で、「救出に直接自衛隊が出ていって、向こうの国の中を通って行動をできるかどうかというところまでいくと、ルールはきちんとは決まっていない。日韓の間におけるそういった決めごとなどもしっかりとしていきたい」と述べ、韓国側から救出に向かう可能性も視野に、日韓での取り決めをしたいと述べた。http://news24.jp/articles/2010/12/11/04172190.html◆
優先順位としては数万人規模の韓国在留邦人救出について考える方が先だと思うのですが、しかも短湾海峡有事の際の台湾在留邦人救出など、自衛隊の装備は輸送艦や輸送機、ともに不足している状況なのにもかかわらず、数万の邦人救出をさておき、重要ではあるのですが達成には非常な覚悟が必要な自衛隊による拉致邦人強行救出を検討と公言するとは・・・、優先順位を考える能力に非常な疑いを持ってしまいます、しかも望遠予算は削減傾向のまま、そんあ米軍でも実現が難しいレベルの任務を検討するとは。有事の際の韓国在留邦人救出はこれまで検討された事例があるようで、森野軍事研究所”邦人救出”という本も出ているのですが、有事の際に韓国国内の一定箇所に集合した邦人を自衛隊や海上保安庁が協力して救出するというものでした。
在外邦人保護は外務省の管轄で、その密接な協同により日本国内に脱出させるこの方策は、かつてインドネシアでの暴動に際して海上保安庁巡視船が展開した事例がありますし、邦人救出は具体的に検討、第1空挺団や東北方面隊等では邦人誘導訓練も報道公開されています。これまで問題となっていたのは戦闘地域に展開して自衛隊が邦人救出を行う事は出来ない、という事でした。戦闘地域に展開しての自国民救出はアメリカ海兵隊などが繰り返し訓練しているところなのですが、自衛隊がこれを行う場合、自衛以上の戦闘を強いられる可能性があるという事で慎重に表現が避けられた、ということがあります。北朝鮮の拉致邦人を救出させるには、まず自衛隊に戦闘地域に取り残された邦人を、MV-22のような航空機を取得して救出できる体制を構築して、その能力で以て、と階段を踏まなければなりません。こうした発言は、子供手当実現や高速道路無料海上に無責任で、来年までに財政赤字を解消するとか、赤字国債を次の総選挙までに零にする、とかいうくらいの大風呂敷。
北朝鮮国内での在留邦人、拉致されたという邦人を救出する、ということは相当な能力強化を行わない限り、実質的に不可能です。例えば、平壌空港等に邦人を集合させる事でも出来れば別ですし、北朝鮮国内に領事館を建設できるのならば、また話は違ってくるのですが、北朝鮮は交戦状態にある訳ですし、日本は確実に北朝鮮に対して軍事行動を執る国側にあるわけですので、日本の自衛隊機の展開に好意的な行動を採る保証は限りなく低いです。なにか、日朝関係がこういう面でうまくいくようなアテでもあるのでしょうかね、民主党は個人外交が好きという事で外務省はずしをやってましたので、相当な人脈を北朝鮮国内にでも持っているのではないか、とか、実は次の後継者と留学時代の飲み友達が代議士でいるのだとか、そう考えてもしまうほど。困難な部分はいくつもあるのですが、大きなものだけで二つあります、この二つもかなり大きな問題なのですが、これが出来なければまず話そのものが始まりません。
第一に、政府は拉致邦人が現在、北朝鮮の何処に在住しているのか、という情報があるのでしょうか、もしくは拉致邦人の位置に関する情報を得られるだけの情報収集が可能であるという何かの確証や自信があるのでしょうか。例えば北朝鮮国内情報について通信傍受や工作員、協力者等による確度の高い情報収集の体制を構築できる見込みはあるのか、政府情報機関の抜本的な強化を行う覚悟はあるのか、ということです。まさか、場所も分からないままに救出部隊を投入しても、全土をしらみつぶしに捜索するというような行動をとらない限り、見つけることは難しいでしょう。もちろん、情報収集機関を人的面や施設面で抜本的に強化し、というのならば反対はしません、莫大な予算がかかりますが賛同します。
第二に、北朝鮮国内にいきなり自衛隊を派遣するのです、確実に戦闘となるのでしょうが、部隊を確実に投入して確実に撤収させる能力を自衛隊にどのように付与させるのでしょうか。多人数で所在位置が不明の邦人を自衛隊之能力で日本に輸送することは、変な話北朝鮮の指導者に近い高官を拉致するよりも大変な事です。進入には内陸部であればヘリコプターや輸送機を使用しなければなりませんし、拠点基地も臨時のものではあっても構築する必要があるでしょう。通信の確実な維持でさえも大きな課題です。特殊戦用のヘリコプター、輸送機、特殊戦車両、それを北朝鮮全土に散在する可能性がある拉致被害者を同時救出に必要な規模で構築するためには、・・・、一体、特殊作戦群が何個連隊、航空機は何百機必要なのでしょうか。NATOのコソボ空爆で墜落した米軍パイロット救出には300機以上の航空機が協力した、と聞くのですが、もちろん反対はしません、予算をつけられるのならば政府の義務として行うべきです。
しかし、ここで難しいのは、自衛隊の出動も検討しなければならない、という事を一国の指導者が発言してしまった訳です。ここで、撤回することは拉致邦人救出に全力を傾注するという国家の姿勢を撤回することになりますので、大きな失言です。もっとも、北朝鮮全土に自衛隊を展開させ、邦人を救出できるような規模で緊急展開能力や長距離作戦能力を付与させる、ということは南西諸島防衛にも寄与しますし、北海道への直接武力侵攻に対しても本土から部隊を展開させる能力にも繋がり大きな抑止力となります。米海兵隊のヘリコプター保有数は将来計画で1500機ぐらいだったでしょうか、これくらいを整備する覚悟で進めれば可能でしょうし、情報収集機関の能力を充実させることが出来たのならば、武力紛争の発生を的確に予想する事が出来、予防外交の展開が可能、世界平和にも寄与するでしょう。
邦人救出手順検討「一切承知していない」 仙谷氏が首相方針を否定:2010.12.13 12:43 ・・・このニュースのトピックス:菅内閣:仙谷由人官房長官 仙谷由人官房長官は13日午前の記者会見で、菅直人首相が朝鮮半島有事を想定し、自衛隊機の派遣を念頭に邦人救出の手順を策定する意向を示していることについて、「一切承知していない。まったく検討されていない」と述べた。 菅首相は朝鮮半島が戦闘状態に入り、危険を伴う状況でも韓国などから自衛隊機などにより邦人輸送できるよう、自衛隊法改正を検討する姿勢を示しており、仙谷氏も「頭の体操としてはやっておかなければならない」と指摘した。http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101213/plc1012131246003-n1.htm◆
早速否定か、・・・、と思い恐ろしい事に気付きました、韓国国内からの邦人救出を官房長官は否定しているのです。見殺しにされる邦人の数はざっと五万ほどと昔言われていましたが、韓流ブームが続いているので、この倍程度は一時的に在留している事もあるでしょう、延坪島砲撃を見ても分かるように奇襲で来れば外務省の退避勧告は間に合いません。ざっと地方都市の人口に匹敵する人数なのですが、官房長官は“韓国”からの邦人救出を否定したという事になります。隣国に在留する、しかも数万単位の自国民を、見殺しにする。見殺し・・・。・・・。危険の伴う状況と言いますが、これまで想定されていた状況でもソウルであれば戦術ロケットの射程内ですから危険は伴います、しかし戦闘が継続している戦闘地域以外であれば可能でした。しかし、危険の伴う、という言葉で固めてしまえば、弾道ミサイルが飛んでくる日本国内でも該当してしまう訳ですね。
自国民の生命すら万単位で切り捨てられる事を発言した政府というのはどういうものなのでしょうか。国軍がゲリラ討伐程度しか能力が無いフィリピンでさえ、有事の際には韓国から日本へ自国民を退避させる検討を行っています。失言とはいえ、あんまりだ、かつて自民党では原爆投下の犠牲を戦争だったので仕方が無いと諦めるしかない旨の発言で辞職しましたが、過去の犠牲以前に将来の数万単位への生命への危険に対して放棄する発言をした訳です、ここまで人命を粗末にするのは戦時中以来。失言も続いてきましたが、ここまで来るとどうなのだろう、と真剣に考えてしまいます。彼らには日本国民とは党員だけなのでしょうか。少なくとも有事の際の邦人保護は、能力的や外交的に不可能ならばアメリカに土下座してでも実現しなければなりません、それは国家の責任、最低限の責任なのだと考えますがどうでしょうか。
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